2015-02-06 03:47 | カテゴリ:第二章
サブシナリオ「夜が明けたら」発生条件
条件1:サブシナリオ「それはとても残酷なこと」を発生させていること
条件2:第二章戦闘パートにおいてモトカでレザシアを撃墜していること

注意:らくがきで埋め尽くされております。俺の絵柄や描き方が合わない方は…ごめんね!













これは命と向き合い続けた彼らの選択。













遮るもののない~

遮るもののない空を、海を眺めていた。暖色を帯び始めた景色や目覚めを迎えた鳥の囀りといった爽やかさを脳に取り込む。先の格闘による体の痛みが、疲れが和らぐような錯覚を覚える。その実風情に酔うことで痛覚を誤魔化しているようなものであるが、これからの大一番の前の気休めくらいにはなるだろうと、またこの程度しかやることは無いのかとレザシアは苦笑する。

そう、痛みがあろうが腑抜けた姿を晒す訳にはいかない。自分の行動に誇りを持つ為には、誇りを持てる自分であらねばならない。それがこれまでの自らの行いに対しての、それを支えてくれた黒子達への礼儀であろうと彼女は考える。例え上辺だけの話であろうが同じこと。

体の埃は払った、表情筋、顎関節の慣らしは済んだ。髪の跳ねは無い。そう確認していく頭に新しい情報が流れ込んでくる。

来たかい

レザシア「来たかい。」

振り向いた先

振り向いた先には鋭い眼光を放つ双眸。警戒を目一杯湛えたモトカの顔を見てレザシアは満足げに口角を吊り上げた。酔いどれた体が心地よい緊張に上書きされ、満たされるのを感じる。訳も無く心が躍る感覚。慣れ親しんだ興奮に彼女の目が見開かれる。

レザシア「さ───

モトカ「ルキオは死んだ。」

文字通り、口火を切ろうとした口の動きを、腹の底からモトカが遮る。その対応に機嫌を損ねたのか、レザシアは開いた唇をそのまま3の形にする。

レザシア「…先刻承知さ。」

モトカ「これが最初で最後だ。人殺しをやめろ。」

レザシア「断ると言ったら。」

モトカ「諦める。」

余りにもタメのない即答。無意識にレザシアは5度程視界を左に傾けた。映るモトカの表情が確かに諦めを感じるものに変わる。その様はまるでこの反応までも予想していたようだった。

おいおいそこは~

レザシア「お………おいおいそこは食いついてくるところだろう。さっきまでのノリはどうした?らしくないぞ同類。」

モトカ「あいつが言って聞かなかったことを俺が言ってても仕方ない。俺とお前は結局なんの接点もない赤の他人だろ。それに、そもそもお前を裁ける奴なんて誰もいないのが事実なんだ。そんな状態で言われてすぐやめるなら言われなくてもやめてるさ。違うか?」

レザシア「連れないな。雰囲気ぶち壊されるのは慣れっこではあるが、これではこの先の展開に心苦しささえ感じてくるぞ。突飛な演出ってのは意味無く仕込んでいいものではないんだ。それくらいはわかっているだろうが。」

意味不明な台詞を気に留めず、モトカは用意していた次のカードを切る。

モトカ「代わりだ。そうやって無駄な演技をするのやめろ。このままじゃまともに話ひとつできない。」

前髪で隠れてほぼ見えないレザシアの眉、それがこの発言にぴくりと動くのをモトカは見逃さなかった。半分ブラフであった言葉の全てが確信に変わる。

レザシア「それはどういうことだろう。確かに俺はよく人を舞台役者にたとえてはいるが──

モトカ「いつもの殺人鬼っぽい口上、キャラ作りだろ。もしお前が本当に殺しに狂っているなら戦闘が得意じゃない俺に執着することも、人の後悔を敏感に察知することも……ルキオに貰ったんだろうその短剣を後生大事に使い続けるなんてこともあるはずない。」

レザシア「ふむ、無粋にも人の心を覗こうとするか。前置きにはこれ以上ないな。続け給え。」

言い終わるのを待たずモトカは捲し立てる。口上を遮られることでレザシアが苛立ちを感じることを彼は無論承知している。

モトカ「ルキオからお前の過去の話を聞いた。それで疑問に思った。何で周囲に殺されるようなことをしたのかって。何で自分の取り巻く環境を疑い始めたのかって。何で自分の死を拒んだんだろうって。……お前が同類と呼ぶように、俺もお前と大して変わらないようなことをしてきたさ。だから、望んでもいない人殺しなんて人間にできるわけがないってことはわかる。そして今のお前の姿が自分で望んだ結果だってことも。」

レザシア「ほほう、それでそれで?(AA略」

モトカ(雰囲気ぶち壊してるのはどっちだよ……。)

モトカ「でも少しでも人の死と関わりたくないって思ったことがあったなら。人に殺されるのが嫌だって思ったことがあったなら。心から人殺しであり続けたいなんて思うはずがないんだ。自分が生きていたいって望むなら、誰かにも生きていてほしいって願うのが人間だから。だからお前が俺と殺し合いたいなんて言ってるのはきっと演技だ。全部、嘘っぱちだ。」

レザシア「フ、フフフフ……自分の価値観ばかりよくもそう堂々と唱えられるものだ。そんなもの頭の螺子が足りない奴にまで通用するかもわかるまいに。」

言われている側からすれば感情の押し付け以外の何物でもない暴論。聞いたレザシアは眼以外を使って笑いを浮かべた。

モトカ「少なくともお前には通用すると思ってる。で、返答は?」

レザシア「だがNON!所詮俺は賽を振り脚本をなぞるだけのアクターの一人に過ぎない。なればこそ、俺達の間に必要なのh

モトカ「そうかい。ならもう何も言わないよ。」

レザシア「さっきから人の言葉遮るなよ同類…。」

モトカ「だったら…!」

DSC_0156.jpg

レザシア「!?」

急展開。雰囲気も何もあったものではない衝撃が左頬を、虚を突く。彼女はそれが幕開けであると理解した。

モトカ「その面の皮、無理矢理剥いでやるまでだ!」

不覚を嘆くことよりも、初めて自分を求めてくれたこと、進んで同じ台上に上がってくれたことに嬉しさを覚え、レザシアは短剣を取り出した。

レザシア「ハッ!そうこなくちゃあなあ!」

が、その歓喜はまさに一瞬のこと。表情はすぐに凍り付く。

今だ

モトカ(今だ…!)

レザシア(!……ウェポンキャプチャー!?)

DSC_0146.jpg

レザシア「あ………。」

鞭に絡めとられ、モトカの全体重で引き寄せられた短剣は、あっさりと力の篭っていない手を離れ──

何が起きたのか、レザシアにはわからずその光景を呆然と眺める。

──空へ、放られ飛んでいく。金属は太陽の光を弱く反射した。

輝きが、フェードアウトする。

モトカ(正直賭けだったが…勝ちだったみたいだな。)

目の色変わった

レザシア「………。」

怒っている。表情はよく見えないがレザシアの沈黙をモトカはそう解釈した。そしてそれは彼にとっても望むところであった。

モトカ「これは経験談だけどな…。ただ殺すだけじゃ後で虚しくなるだけだ。殴り返してこいよ、その怒りを全て俺にぶつけるつもりでな。受け止めてやるから。」

モトカは最初から説得や殺し合いなどする気はなかった。勿論先程言った言葉は嘘ではないが、聞き入れてもらえないことがなんとなくわかっていた。

話をしないのなら話をする気にさせてやる。殺し以外で自分を表現しないのなら一番単純な方法で暴き出してやる。彼は死に、嘘に凝り固まった人間との対話に至るためのプロセスとして、怒りのまま殴り合う場を設けるつもりだったのである。

レザシア「…………。」

モトカ「……言っとくが、俺も相当怒ってる、ルキオが勝手に命を賭けたとはいえ、それに見向きもしないお前にはな。だからその怒りも受け止めてもらうぞ。」

モトカ(あの時、俺が死にたいって心から望んでた時にルキオが傍にいてくれた。俺が今の俺でいられるのはあの時あいつが願ってくれたからだって思うから。その願いと、レザシアへの願いを無駄にしたくはないから。だから!)

条件は揃った。あとは根負けさせるだけ。

モトカ「俺はお前の本音を聞きたい。お前と話をしたい。それには武器なんか要らないよなあ!行くぞレザシア!」

レザシア「………!!」


モトカが飛びかかる。それに対し、レザシアも声にならない声を上げて応戦する。双方、幼稚な感情を剥き出しにしたまま。

激突。












MOTOKA=SAKUMA VS RESASIA=SALOME

ROUND 1

モトカ「どうしたよ!お前の怒りはそんなもんか!」

ROUND 2

レザシア「無駄口が多い呻き声が癪に障る不愉快極まる!倒れ方に品が無い!」

モトカ「……ッ、お前の素行程じゃねえよ!」

ROUND 3

モトカ「起きろよ、まだ俺の腹の虫は収まらねえ。」

レザシア「グッ………そがッ!」

モトカ「ちょ!不意打ちかよ卑怯だろ!」

レザシア「レギュレーションがあるならやる前から用意し給えよ!あとアンタが言うな!」

ROUND 4

レザシア「先刻から鼻っ柱ばかり!顔が変形したらどうしてくれる!」

モトカ「知るか!あとやり返してから文句つけんな!…いってえぇえぇ…。」

レザシア「ハハハハ……いい気味だぜ!」

モトカ「…このっ!」

ROUND 5

モトカ「……突き飛ばそうとするのは結構だけどな、俺が殴らずに避けてたら海に落ちてたぞお前。いってて…」

レザシア「…………ッハァ、はあ、はあ…。」

モトカ「で、気が済んだかよ。」

レザシア「殴り返す。殴り返させろ。」

モトカ「地が出てきたな。いいんだよそれで!来い!」

ROUND 6

レザシア「ぜーはーぜーはーぜーはー…。」

モトカ「ぜーはーぜーはーぜーはー…。」

レザシア「まだ、まだまだ!」

モトカ「いいぜ!何度でも付き合ってやるし付き合ってもらう!」

レザシア「おおああああああああああ!!!」

モトカ「らああああああああああ!!!」


ROUND 7…













青空に面して

青空に面して大の字が二つ。

全くしぶとい

レザシア「はっ……はっ……全くっ……しぶといっ……。」

そろそろかっこつけ~

モトカ「はあ……はあ……どうだよ、そろそろ、かっこつけ、やめる気に、なったかよ。」

双方、息もたえだえといった様子で声を絞り出す。

レザシア「恰好なんて……とうに、ついておらんわ……。…で、また…否と…言ったら…?」

モトカ「続行に……決まってんだろ。」

レザシア「こんな…馬鹿馬鹿しい、やり取り…もう御免だ……終わろう。」

モトカ「ひっでえ……お前が素直なら、こんな手、使わずに、済んだってのに。」

そこまでで一区切り。吐き捨てるような台詞も弱弱しく、後に続くのは息切れの輪唱。

殴り合いを始めてからどれだけの時間が経っただろうか。顔に浮かぶ怒気が消え、互いに疲労を察し始めた頃、繋げられた糸が切れるようにどちらからともなくその場に倒れ伏した。肺を満たす苦しさが、打撃を受けた部分の痛みが、二人の全身に更なる重石をつける。地面に縛り付けられたように体が動けなくなった。

舌戦を演じる気力さえ最早無いようで、その為か先まで向けあっていた敵意すらその顔からは読み取れない。今になって意識をしていなかった日の光に目を眩ませ、二人して空に向けて忌々しげな視線を向ける。

暫くして、息が整った口が開く。

レザシア「だが、俺は己のあり方までは変える気はないぞ。」

モトカ「それはもう言わねえよ、さっきの通り俺には人のこと言えないし。それにここまで拒絶するからには何か譲れない理由があるんだろ。本当はそこまで頭固くするべきじゃないんだけどな…。そこで提案だ。」

レザシア「何だ。」

髪をかく音。レザシアの視線は未だ空を向いている。

モトカ「殺しは止めない。だがルキオの遺恨に他人様を巻き込みたくない。それを受け止めるのは託された、同類の俺がするべきことだ。今度から誰か殺したいと思ったら俺だけを殺しにこいよ。その都度さっきみたく返り討ちにしてやるから。」

レザシア「妙な使命感を、自分と俺への罰のつもりか。気が進まんな。」

モトカ「もう1ラウンドいっとくか?」

モトカがあからさまに嫌そうな声を出した。肩を竦めようとして、それでも動かなかった四肢にレザシアは苦笑し、ため息だけを漏らす。

レザシア「拒否権無しか。」

モトカ「話が早くて助かる。」

矛盾してないか

レザシア「……………矛盾してないか?」

モトカ「何が。」

レザシア「アンタの言っていること、こうして俺の目の前にアンタがいること。それに俺が操られていた時に感じた殺気、嘘なんかじゃなかったぞ。本心ではアンタこそ周りに死んで欲しいとか、死にたいとか、思ってるんじゃあないのか。演じているのはどちらだ。」

その言葉を聞き、狐につままれたような様子のモトカの顔が左を向く。返ってこない答えにレザシアはゆっくり目を合わせる。

モトカ「………。」

レザシア「何だ。目を丸くして。」

いや、お前がそこまで~

モトカ「いや、お前がそこまで人のことを見ているなんて思っていなかったから。……そうだな、確かに俺もまだ死を望んだままなのかもしれない。気に入らないことをただ消してしまいたい餓鬼のままなのかもしれないさ。でも、きっとルキオに望まれて、それに応える形で生きようと思えたのも演技でもなんでもない、それもきっと本心の一つだと思う。」

言い終えて、また一区切り。潮風の鳴る音が一つした。

レザシア「その都合のいい頭に嫉妬するよ。ダブルスタンダードもいいとこだ。」

モトカ「何とでも言え。そうやって影響し合って色んな考え方できるようになれるのが俺達人間の特権だ。」

全く、殺そうと思えば、自分さえ生き残りたいと思えば、いつでもできたろうに。声に出すことなく苦笑する。

レザシア「…………あの短剣、な。」

モトカ「ん?」

レザシア「誕生日プレゼントだったんだ。最初で最後の。」

モトカ「…………そっか。」

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レザシア(……何故、今言う気になったのだろうな。)

モトカ「いつだよ。」

レザシア「ん?」

モトカ「誕生日。」

レザシア「………11月11日。」

モトカ「近いな。じゃあ何か考えとくよ。」

考えとくよ













ギャラリーが集まってきたな

レザシア「ギャラリーが集まってきたな。」

モトカ「まあ、もう朝だしな。」

レザシア「どうする?アンコールにお応えするか?」

モトカ「やめとけ。見えない期待に踊らされることなんてもうない。」

レザシア「…そうか。」

モトカ「立てるか?」

レザシア「ああ。……だが、」

モトカ「だが?」

レザシア「叶うならもう少しこのまま。」

モトカ「……だな、少し眠くなってきたし。」





















DSC_0150.jpg
















誕生日を祝うって風習は相手の命をわかりやすく愛する為の物だと思うんです。個人的に。

レザシアがトンカの面々に正式に加入しました。

サブシナリオ「夜が明けたら(後編)」おわり。
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